Cursorに重大なRCE脆弱性 — リポジトリを開くだけで任意コード実行、7カ月未修正
Cursor IDEに深刻なRCE脆弱性が発見された。悪意あるgit.exeをリポジトリに仕込むだけで、ユーザーの操作なしに任意コードが実行される。7カ月以上未修正で、700万ユーザーがリスクに晒されている実態を解説。
Cursorに重大なRCE脆弱性 — リポジトリを開くだけで任意コード実行、7カ月未修正
2026年7月15日、セキュリティ企業MindgardがCursor IDEの重大なRCE(リモートコード実行)脆弱性を公開した。この脆弱性は驚くほど単純で、悪意あるgit.exeをリポジトリのルートに仕込むだけで、Cursorが自動的にそれを実行してしまう。ユーザーのクリックや承認ダイアログは一切不要だ。Cursorは7,000万以上のアクティブユーザー、100万人以上のデイリーユーザー、100万人以上の有料ユーザーを抱え、5万社以上の企業で利用されている。本記事では脆弱性の詳細と、ユーザーが今すぐ取るべき対策を解説する。
脆弱性の仕組み:なぜgit.exeが実行されるのか
Cursorはプロジェクトを読み込む際、Gitバイナリを複数の場所から検索する。その検索パスの1つに、ワークスペース自体(開いたリポジトリのルート)が含まれている。攻撃者がリポジトリのルートに悪意あるgit.exeを仕込んでおくと、Cursorはそれを自動的に実行する。
Mindgardが公開したプロセスモニターログには、Cursor.exeがリポジトリ内のgit.exeを実行した証拠が記録されている。コマンドラインは「git rev-parse --show-toplevel」で、Cursorが起動時にGitリポジトリの情報を取得しようとした結果だ。
Mindgardは安全性を確認するため、悪意あるコードの代わりにWindowsの電卓アプリ(calc.exe)をgit.exeにリネームしてPoCを実行。Cursorでリポジトリを開くだけで電卓が起動し、さらにCursorが動作中に繰り返しgit.exeを呼び出すため、電卓のウィンドウが次々と増えていく様子が確認された。
7カ月間の沈黙:報告から公開までの経緯
Mindgardがこの脆弱性を最初に発見したのは2025年12月15日。同日中にCursorのセキュリティ報告窓口に報告した。その後も複数回にわたってフォローアップを行ったが、確認の返事すら得られなかった。
CursorのCISO(最高情報セキュリティ責任者)が最終的に応答し、内部の自動化障害でHackerOneのワークフローが機能していなかったことが判明。Mindgardはプライベートバグバウンティプログラムに招待され、再提出した。
しかし報告は「Informative(参考情報)」としてクローズされ、スコープ外と判断された。Mindgardが異議を唱えるとHackerOneが再現に成功し、問題を確認。Cursorに詳細が伝えられた。その後、一切の返信が途絶えた。
7カ月以上、70以上のバージョンがリリースされたが、脆弱性は修正されていない。Mindgardは最終的に完全公開(Full Disclosure)に踏み切った。
影響範囲:Cursorユーザー全員がリスク
この脆弱性の影響はCursorユーザー全員に及ぶ。特にWindowsユーザーは直接の標的となる。攻撃シナリオは以下の通り。
オープンソースプロジェクトへのコントリビューションが日常的な開発者にとって、このリスクは極めて現実的だ。レビューだけではgit.exeが仕込まれていることに気づかない可能性が高い。
今すぐ取るべき対策
Cursorがパッチをリリースするまでの間、以下の対策が推奨される。
1. 信頼できないリポジトリは隔離環境で開く
最も確実な対策は、信頼できないリポジトリをWindows Sandboxや隔離されたVMで開くことだ。ファイルハッシュによるブロックリストは、攻撃者がバイナリのハッシュを変更すれば簡単に回避できるため、過信してはいけない。
2. AppLockerまたはWindows Defender Application Controlで制限
管理されたWindows環境では、AppLockerやWDACを使って開発者ワークスペースのディレクトリからのgit.exe実行を拒否するルールを設定する。パスベースの拒否ルール(リポジトリルートを指定)が推奨される。
3. EDR製品で親プロセスベースの監視
Windowsには特定... [truncated]